公演の集客のためには、まずは、「おもしろい作品を創る」こと。
<集客の前にする事>
1)戯曲を選ぶ。
既存の戯曲か、オリジナルか。とにかく、おもしろい、と思えるものを選ぶ。プロデューサーと劇作家と演出家が三位一体になる必要があります。ひとりが兼務することもありますが、プロデューサーの存在はヒットさせるには絶対に必要となる。
2)演出や役者を選ぶ。
戯曲を演じたい、舞台の上で表現したい、そういう方と一緒に作ると楽しいが、この人集めが大変。旗揚げメンバーが最後まで残るとは限りませんし、やってみないとわからないことだらけです。やれることとやりたいことを考えて、やりたいことの中からやれることを選んで、やっていく。そういうやり方がよいと思います。
3)予算組をする。
集客力に応じて、予算組みをします。最初の公演で、集客できることはまずありません。観客は友人や親戚関係が中心です。小劇場の界隈で演劇をされている方なら、100~200人程度の集客力がある方はいらっしゃいます。予算組ですが、まったくの初心者は、最初は50万円程度で公演を行い、実践で慣れてから、1週間の10回公演に挑戦して、500万円程度の予算組で1000人規模をめざしていくとよいと思います。
4)小屋をおさえる。
どの劇場でやるか、予算が決まれば、キャパが決まり、設営と撤去の期間もふくめて小屋(劇場)をおさえます。
5)次の作品を考える。
戯曲、演出、配役、会場が決まれば、あとは本番にむけて進んでいきます。このタイミングで、プロデューサーは、次の作品で何をやるか、見えていることがポイントになります。ここを決めずに、現在の作品にとりかかると、次の手を打てずに、公演が終わり、間が空いてしまいます。「次の作品で何をやるか」が見えている劇団は、次の公演の告知を上演後に行うことができるため、ファンをつくる流れができてきます。評判があるうちに、次の公演の日程を告知して、ファンのスケジュールと予算をおさえることができれば、継続的な集客(ファンづくり)へと繋げられます。
6)公演実施がプロモーションになる。
公演の感想を、いい意見も、悪い意見も広めていきましょう。認知度がとにかく大事です。その時に用意していた、「次の公演」を広く広めることが重要になります。
7)このサイクルを繰り返す。
次の公演の会場を決めたら、またその次の公演の準備をしていきます。
【追記】
WEBで「演劇 舞台 集客 方法」「演劇 マーケティング」「小劇場 宣伝」等で検索をかけるが、まともな事を言っているサイトがありませんでした。商業演劇では当たり前に行われていることも小劇場では予算がかけられず、効果的に行えないし、費用をかけずに行うことで、本来やらなくてはならないことができなくなります。アウトソーシングも視野にいれて宣伝を行い、集客を図っていくことができるとよいと思います。
舞台・演劇公演への集客のための7ステップ
(1)告知
いつ、どこで、だれが、なにを、いくらで やるか。これを知らせなくては人は集まらないです。そして、それを誰に伝えるか。まずは告知用のブログとサイトとSNSとYouTubeチャンネルとチラシとポスターを作ります。そして、自分を知っている人にDMを送ってください。(手段は、手紙、ハガキ、メール、SNS)最初のターゲットは自分を知っている人です。
チラシやDMの印刷では、ネット印刷が主流です。代表的な「ラクスル」のCMを見たことがある方も多いと思いますが、少部数の印刷やDM発送も対応をしています。
【ネット印刷参考】
翌日出荷で100部2500円~|チラシ印刷ならラクスル! (公式サイト ラクスル!
)
<2019年8月追記>
YouTubeチャンネルを劇団で作り、どんどん発信する手法はよいです。企画があたれば、収益化も見込めます。ツイッターの動画投稿もよいです。ただし、作品ごとにアカウントを取得するやり方はおすすめできません。公演が終わるとアカウントが稼働しなくなってしまいます。「団体名@公演名・日付」みたいなアカウントにして、次の公演までは、団体名にしておくことがよいです。勿論、団体ではない場合は、プロジェクト名でもOKです。動いていないときこそ、SNSやサイトやブログを動かす、ということが必要になります。
(2)広報
2番目のターゲットは、自分を知らない演劇に興味のある人である。演劇媒体にプレスリリースを送ります。登録制のこりっち等に登録をします。WEB上で検索をかけた際に、あなたの劇団なり、公演が情報として検索できるようになります。またSEO対策にもなり、あなたのサイトが上位に掲載されるようになります。この段階でも、旗揚げ公演の場合は、あくまで足跡を創る、劇団の歴史を創る作業として、取り組むべきです。上記の方法で第二回公演の広報活動の場合は、旗揚げ公演の感想や反響を大きく紹介し、期待感を煽ります。有名人にコメントをもらうこともひとつの手で、「ビートたけしが認めた才能!」みたいなキャッチのことです。この時、許される誇張はあってもよいが、嘘はダメです。
(3)宣伝
宣伝とはお金をかけておこなう広報活動の事です。雑誌やWEBに広告費を払い、宣伝をしてもらいます。FBやTwitterで属性をセグメントして、出稿してもよいです。2~3万円程度では効果は得られないですが、属性の合う人に広報活動をすることができます。効果を得るためには30万円程度は、かかりますが、小劇場の場合は、劇団なり、公演のステータスをあげるための費用と思い、思い切って宣伝予算を割くとよいです。お金さえ出せば、無名でもある程度は有名になれます。3番目のターゲットは媒体です。
(4)触れあう。
これはホストやキャバクラと同じ集客方法。こまめに連絡をとり、店に来てもらうように、劇場に足を運んでもらいます。イケメンや容姿端麗な女性に多いがこのやり方では、芝居そのものよりも、あなたに会いにくる客が増えます。いずれにせよ、限界がくるやり方ですが、1000名程度までは、このやり方でよいです。また、目安として、ファンが200名を越えたら、ひとつ線を引くほうがよいです。この段階で、昔のファンからは、あなたは変わった、あるいは次のステージへ行ったと言われるようになります。4番目のターゲットは来場してくれるお客様である。
(5)お客を媒介にする。
いわゆる「口コミ」。小劇場界にもインフルエンサーはおり、そういう方へDMを送り、芝居を観にきてもらい、感想をかいてもらう、という手法があります。仮に感想が、「とてもツマラナイ」という事だったとしても、それは受け止めましょう。まずはお客様に感想を書いてもらう。5番目のターゲットは発信するお客様である。プチインフルエンサーと考えてよいでしょう。
(6)終演後
ロビーでのご挨拶、楽屋でのご挨拶。最近は、カーテンコールを写真撮影OKにしていたり、ふれあいタイムにしたりしている公演もあります。ロビーや楽屋で合うのではなく、カーテンコールで素を出して、感謝を述べ、感想をツイートしてほしい、とお願いしてはいかがでしょうか。 6番目のターゲットは来場してくれたお客様である。
(7)有名人を劇場に呼ぶ
有名人の知り合いがそもそもいないかもしれないのですが、横のつながりで、有名人の知り合いの知り合いくらいの人はいるようになります。その方にお願いして、有名人のいる事務所の俳優さんに、ギャラ払って、自分の公演に出演してもらったり、チラシに推薦文をもらったりしましょう。7番目のターゲットは有名人です。
以上、7つの方法が集客のためのステップアップの手法です。大事なことは、3年をひとつのサイクルとして、年2本の公演を行う計算で、段階を追って、組み立てていくことだと思います。
【2019.6.6追記】
宣伝方法について、新聞折込や駅貼りが身近になっています。これは、「ラクスル」のようなサービス展開が急成長した結果で、より身近に使えるアイテムになっています。
※新聞折込⇒新聞折込のラクスル
【2018.9.27追記】
公演告知ができるサイト
<演劇とお金の話>
また、宣伝費を確保するためには、「演劇とお金の話」が必要になります。これはチケット代のほかに、物販収入、協賛収入が得られなくては成立しません。劇場に集客したお客さまにグッズを売り、収入をあげる。2000円のTシャツを100枚売れば、20万円。原価7万円程度である。13万円の粗利がでます。他にも、パンフレットを作る。ネット印刷のフォトブックを利用したり、販売用のパンフレットを作ります。1部500円程で作り、1500円~2,000円で販売して、粗利を出していきます。この粗利を役者のギャラや劇団運営費にあてていきます。客単価3,000円が目安になります。
<2020.2.11追記> ※グッズの売り方について具体的に書きました。
《ネット印刷参考》
※パンフレット⇒ パンフレット印刷ならラクスル!
※フォトブック⇒ MUJIBOOKS(無印良品)推奨のフォトブック『BON』
《稽古場・消耗品》
※コピー用紙、飲料等⇒アスクルなら欲しいモノがすぐ見つかる、すぐ届く!
この記事は、これから「旗揚げ」して頑張っていこう、という劇団の方向けです。少しでも役に立てばと思います。よろしければ、ぜひ「いいね」や「シェア」をお願いします。