東京雑記

‐Tokyo Miscellaneous Notes‐

公演グッズの売上を伸ばす方法

公演やライブでは、オリジナルグッズが売上を作ります。

チェキ撮影などの地下アイドルビジネスを取り入れる事をためらう硬派な劇団もいるかもしれません。いきなりチェキではなく、応援をしてくれる人のためのグッズの販売を行うことは収入に繋がります。

 

いらないTシャツやタオルばかりたまる。

ドネーションの感覚でグッズを購入する方は、こんな悩みがあるかもしれません。

多くの方が勘違いされているのですが、「安く仕入れて、高く売る」または、「安く仕入れて、適正価格で売る」ということは、大企業こそできるビジネスで、個人や小規模の商いでは、労力に見合う利幅がでません。

 

では、どうするか?

「良質のオリジナルを高く売る」が正解です。

原価3,000円のものを10,000円で売るのです。そんなもの売れない!

そういう人のためには、原価1,000円のものを3,000円で売るのです。

 

つまり、3,000円、10,000円、30,000円くらいの商品設定をおいておき、もっとドネーションしたい、応援したい、という人がいるようならば、もっと高額なオリジナル商品を設定するとよいです。

 

ここで間違えても、500円の商品を作ってはいけません。

すべきことは熱烈な応援者から、支援を受けるのです。

お祓いや祈祷は、同じ内容でも金額が違います。違うのは、木札の大きさくらいです。

木札の大きさを変えているのは、金額によるご利益をわかりやすく表現しているにすぎないのです。

 

それと同じように、金額による違いをわかりやすく表現をしていれば、よいのですが、それは、無価値のものであってはいけないのです。

 

500円のステッカーを10,000円で販売したら、どうでしょうか?

どんなありがたみがあるでしょうか?そうではなく、たとえば、純金で2万円の価値のある、オリジナルデザインカードを35,000円で売るのです。利幅は15,000円とステッカーよりも利幅はあり、かつ価値のあるものです。さらにそのカードに付加価値をつけることも重要です。10枚限定販売等です。

 

グッズの購入者は、コアなファンです。しかし、価値あるものにお金は使いますが、無価値のものにお金を使わせては長く続きません。

 

 

また、グッズは原価の3倍で売ってはじめて、利益になります。

そういうと、

 

・500円でTシャツ作って、1,500円で売る!

 

と勘違いする人がいます。

 

・1,500円でTシャツ作って、5,000円で売る!

 

こちらが正解です。小ロットの場合、どうしても原価が高くなります。

同じ品質だとしても、ロット数で仕入れ金額に違いがでます。

しかし、たくさん作っても、たくさん売れません。

 

グッズはドネーションへのお礼(相対価値)

同価格帯を多数バリエーションを用意しても、売上はあがりません。

多数の価格帯を用意をして、高額商品は、受注生産の形にするとよいです。

 

商品価値とは何か?

劇団のブランド商品をつくり、その価値を高めることに注力を注ぐべきで、どんなに安く作っても、粗悪なものは喜ばれません。良質なものであれば、それはブランド商品への信頼につながり、次回も購入されやすくなります。

 

・お客さまはどこを見ているのか?

・お客さまは誰なのか?

 

ここを見極めることが大事です。

中年の会社員にとっては、1,000円はランチ代で、3~4000円は呑み代です。

呑みすぎて、タクシーで帰ったら、5,000円~10,000円はかかるかもしれません。

経費では落ちませんし、キャバクラで調子乗ったら、もっとです。

 

お金の価値観をお客の感覚で考える

年収500万の人は、5,000円程度のグッズは買うでしょう。

年収1,000万の人は、10,000円程度のグッズを買うでしょう。

もっと余裕のある人は、50,000円程度のものも購入します。

くどいですが、高額商品は受注生産がおすすめです。

 

ファン・ビジネス

こう呼ぶと微妙ですが、ブランドのビジネスは、まさにファン・ビジネスです。

そのブランドのファンをつくり、高額商品をどんどん買わせるのです。

原価の何倍もの価格です。なぜ、高額でもみな買うのか?

「価値」があると思われていることと、ステータスになること、

そして、そのブランドのファンになっているからです。

良質なことには間違いないのですが、

20万円の原価のものが60万円で売られるようなスキームです。

その分、宣伝費にもお金を使います。価値をあげて、価値を保つためです。

 

やってみるとわかること

小劇場の商圏であれば、800円~1,000円の原価に対して、

3,500円の売価でまず試して反応を見ていくとよいと思います。

1アイテムのロットは50~100です。

100個だと35,000円の売上で、粗利25,000円程度です。

(アイテムを増やすこと、価格帯に幅を持ち、どの価格帯で、

 どのような商品が受け入れられるかは、試しながら、探っていきます)

 

売れ残りの販売方法

グッズの売れ残りの販売方法は、これは昔から百貨店さんが行っています。

「福袋」です! 原価+α程度の価格帯に設定して、在庫処分を行います。

ここでも、目玉商品と確実に元をとれる商品の組み合わせが肝になります。

 

(ポイントは、なるべく早いタイミングで、見切りをつけて、

 福袋にすることと、人気商品を福袋にいれるときは、定価で計算をします。

 売れ残り商品がサービス品扱いになります)

 

なぜ在庫処分が必要か?

値引きはダメです。売れ残ったら、値引きする、という考えではブランドのファンは離れてしまいます。アウトレット、わけあり、などいろいろな理由がつきますが、正規品は値引きしてはいけないのです。そこであみだされたのが、「福袋」なのです。

 

原価の3倍以上を定価にしておくと、「福袋」でお得感を出せます。くじ感覚をメインにするのでなく、どれがでてきても「お得」という中身と値段にする必要があります。新商品があれば、それは必ずいれて、旧商品も入っていて、「お得」ということをします。ここでも、必要以上に価値をさげることをしてはいけないのです。

 

どんなグッズが売れる?

このことは、今後の記事で書きたいと思います。

今日はこの辺で、最後までお読みいただきありがとうございます。

 

 ※過去の記事では、チケットの売り方について書いています。

tokyo-bbs.hatenadiary.jp 

<この記事のテーマの参考書>

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