日本国内のフィギュアスケート人気は凄まじい。そこで、海外のアイスショーについて日本語で書かれいる解説サイトが少ない。そこで調べてみた。
まず最初は、シルク・ド・ソレイユが昨年よりはじめた「Crystal」がある。シルク・ド・ソレイユのアイスショーである。私も観にいったが、おもしろかった。さすがお金をかけられるステージは違う。出演者も世界中から集められているショーである。
続いては、ドイツを中心に開催されている「Holiday on Ice」だ。毎年テーマを変えて、興行をしている。映像でしか観たことはないが、ショーとして完成されている。フィギュアスケートショーの老舗である。これは近いうちに観にいきたい。
そして、「Art on Ice」出演者の豪華さと演出では世界一ではないか。世界レベルのアーティストとスケーターがコラボしている。毎年2月、3月あたりにスイスで開催される。過去に荒川静香さんや髙橋大輔さんが出演されている。
ロシアのプルシェンコさんのショー。「スノーキング」「くるみ割り人形」と開催されている。2018年の開催のときはスルツカヤさんがプリンシンパルであった。セットも大掛かりである。実際にショーを観ていないので、何とも言えない。
チケットはこちらのサイトから購入できる⇒ https://pmishow.com/
「白鳥の湖」https://pmishow.com/en/swan-lake
「くるみ割り人形」https://pmishow.com/en/ledovoe-show-shelkunchik-2
アイスショーの今後
さて、ここから「アイスショー」についての考察。フィギュアスケートの人気のある国で、ショーも多いですね。異色はシルク・ド・ソレイユ。シルク・ド・ソレイユが氷上を表現の場に選んだ、という感じはします。これは「氷艶」が歌舞伎を氷上で行ったという感じに見えたのと同じ感想です。フィギュアスケートのショーという概念は、どのように発展していくのか。町田樹先生ではないですが、これは確かに学術的要素も入ってきます。総合芸術として、オペラがあり、庶民的なミュージカルがあります。
構成要素を分解すると、
・ストーリー(筋)がある。
・音楽がある。
・踊りがある。
身体表現のパフォーマンスがあり、そこには音楽があります。全体の構成として、筋があります。バレエとフィギュアスケートはとても似ている身体表現であります。
フィギュアスケートは、バレエの表現やダンスのステップが取り入れられて、芸術性を高めてきました。フィギュアスケートの語源となった図形を描く「コンパルソリー」は競技から消えて、「トランジッション」が採点にかかわるようになり、演技構成点の比重が高くなり、単なる技術を競うスポーツというよりも、異種のパフォーマンスから技や知恵を取り入れて、総合芸術性を磨く方向へと向かっています。競技を引退し、プロとなった先駆者たちは、さらにその先を見出してきています。
フィギュアスケートで表現できること
・滑る
1カウントで動く距離がまず床とは違います。それが自らの身体能力だけで表現をできるのです。一蹴りして、その後は、重心の移動で、氷上を進むことができます。
子供じみた言葉ですが、あっちいったり、こっちいったり、お客さんの前に、どんどんいけるのです。
・アイスダンス、ペア、シンクロナイズドスケーティング
それぞれの技術があります。ペア競技では、リフトがあります。アイスダンスの華麗なユニゾンや表現力、シンクロナイズドスケーティングの一糸乱れぬ、集団行動。これらは「滑る」に加わることで、より「感動」を生むようになります。
・ステップ、ジャンプ、スピン、スケーティング
これらを駆使することで、表現の幅は広がります。さらに現在は、腰から上の表現にも注目しています。スケーティング重視になると、腰から上は、補助的な手ぶりになるのですが、ここをきちんとすることで、足が「静」のときに、上半身が「動」という表現も可能になります。動きながら、上半身を動かすということは、わかりやすくいうと、自転車を漕ぎながら、上半身をパフォーマンスしている、そういう感覚でしょうか。または、一輪車にのった大道芸人が激しくダンスをしている、という感覚でしょうか。
フィギュアスケートの演技を観ていて、
「なぜ、そこで飛ぶのか?」
「なぜ、そこで回るのか?」
不思議に思うことがあります。これはバレエと違い、感情の高ぶりから、行動へと繋がっていないからではないか、と思う。
そういう意味では、町田樹さんの「Bolero」は、ひとつの作品として、完成をしており、観客に衝撃を与えたのだ、と思う。
総合芸術をめざしていくアイスショーにこれからも注目をしていきたい。
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