ADHDの部下
ADHD(発達障害)の部下を持つ人の悩みが多いのでは、と思う事がありました。過去の記事でも書きましたが、私のもとで働いていた方はADHDでした。今日は具体的に行った方法を書きます。
【過去記事】大人の発達障害と向き合った日々(東京雑記)
実体験
発達障害の部下がおり、たいへん苦労をしました。性格は素直なのですが、2つ以上のことは同時にできないし、優先順位もわかりません。妙な記憶力もあり、褒めれば行動に移して行けます。
ADHDの部下への対策
医者ではないので、その対策が正しいのかはわかりません。しかし、有益だったことは、「何も期待せず」「業務を作業に分解し、遂行する」ということでした。
コピー用紙の発注をお願いするとき、何枚、いつ発注をすればよいか、なぜ必要なのかを考えて、在庫と使用枚数と倉庫のスペースを把握して、発注時期と枚数を考えて、コピー用紙を発注します。通常の部下への指示は、「コピー用紙の在庫確認して、必要なら発注しておいて」ということでいいでしょうし、そもそも「コピー用紙を切らさないように」という指示でよいと思います。
しかしADHD(発達障害)の部下にはこの指示ではうまくいきません。
・コピー用紙を切らせるとコピーができない
・定期的に発注が必要
・2週間で必要なコピー用紙の分量
・在庫をおくスペース
・在庫がどのくらいになれば、スペースにおさまる程度の発注が必要
・発注する行為を可能な限り少なくすることが必要
以上の条件を満たすには、どのようなタイミングで、どのくらい発注をすればよいのか。ということを教えた上で、適切なタイミングと枚数を示唆し、おなじことを繰り返し、行動をしてもらいます。
考えて実行することは求めない
ADHD(発達障害)の場合は、相手に考えて行動することを求めるのは酷です。そうではなくて、ルールを教えて、行動をしてもらうことのほうが有益な結果に繋がります。
手段の問題でなく、結果に繋がればよいと発想を変えます。自己学習を求めることは酷であり、基本ルール、応用ルールを教えることがスムーズに仕事を進めることができるようになります。
繰り返しができない
このように書くと繰り返しの仕事が得意なように思われるかもしれませんが、彼らは繰り返しの仕事は得意ではありません。繰り返しではなく、何らかの「ルール」に従った仕事は得意です。しかし、ルールの些細な変更には対応は難しいので、ルール変更を加えることは独断でなく、必ず相談をしてほしいと約束をします。このことで相当労力が減ります。なんらかのルール変更をしなくてはならない時は相談をされるようになります。その際、苛立つことなく、相手の言葉を聞き、考え、新しいルールを決めます。
行動はできる
彼らはバカではありません。行動力もあります。前提条件が違えば、考え方が変わります。目的は仕事のスムーズな遂行であり、質と量をあげて、生産性を高めることとするならば、彼らに動いてもらうような仕組みを作るとよいと思います。
ADHD(発達障害)と向き合う
仕事のルールを決める。これが一番効率がよいし、お互いのストレスがなくなります。相手の言動や行動は自由です。ただ仕事はしてもらう必要があります。仕事のルールを決める。行動をする。上司は、曖昧な指示を出してはいけませんし、プログラムを組んで、実行する過程で、彼らの考えも取り入れる必要があります。
できること(長所)を考え、活かす
彼らの得意なこと、できることを考えて、そのように導く。
・優先順位
・効率化
・目的と成果
これを共有し、「ルール」を決める。そして、部下が結果が出せないときは、上司である「自分の指示が間違っていた」と認識し、改良していくことです。これを繰り返し行動していきます。
余談
かつて、ADHD(発達障害)の部下をもったときは、苦労をしました。指導力のなさを指摘されたり、本人も頑張っているのに成果を出せなかったり、その連鎖を打ち破るために、「ルール」を決める、ということは、ひとつの解決策になりました。
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